KOKI MATTRESS

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スプリングマットレスのコイル数について

スプリングマットレスのコイル数について  

最近のスプリングマットレスの各社の販売において、コイル数が多ければ良いマットレス、すなわち寝心地が良いと表現する広告が目につきます。

これは大きな間違いです。

マットレスにおいて、スプリングコイルはご存じの通り、身体を受けるスプリングとしてのばねの役割をこなすのですが、 我々製造会社としては、

・コイルに使用する材料のセレクトから始まり、

・材料の鉄線の径、コイル自身の径や巻数、高さや巻き方の角度 など色々な項目を吟味し、

最終的にコイルの仕様を決め、その結果数量が決まるのです。

つまりマットレスにおいてコイル部分の重要な事は単純にコイルの数量では無く、使用する材料のセレクトと加工方法が何よりも大事なのです。

例えば同じ材料、高さのコイルでも巻数が4巻と5巻ではばねとしての反発力、持久力が全然違うのです。

実際ある工場では巻数を少なくして材料費などを削っている工場もあります。

逆にもしコイル数量のみがスプリングマットレスのグレードになるのであれば、工場は簡単に数量を増やす事は可能なのです。

もちろんマットレスジャパンの場合、日本人の好み、身体に合った寝心地を前提にコイル仕様を決めています。

これらのノウハウは長年にわたり日本向けにスプリングマットレスを供給し続けてきたことにより培ったものなのです。

実はこのコイルの仕様を決定するにおいて一番大事な事は、 ・詰め物(ウレタン、ヤシ柄パーム、生地など)との相性です。

例えば低反発ウレタンのような反発力の少ない材料を使用する時はあえて支えとなるコイル部分は若干硬めにして支持力を強くします。

コイルの数量を決定するにおいてもうひとつ重要な事が、 ・コイル間の隙間の設定です。

これをいい加減に設定するとコイル同士が擦れて異音が発生してしまったり、身体を受ける時のバランスが悪くなり寝心地も悪くなります。 これも長い販売経験が無いと設定する事は出来ません。

確かにマットレスの場合、コイル数が多くなれば一般的には硬めの仕上がりとなり、持久性は上がると考えますが、 これも数百単位での話で、いろいろな他のサイトが表示しているような数十個単位での比較など何も意味はありません。

私からすると日本への販売実績の無い工場が、他国向け商品との材料ロットの関係でたまたま設定したコイル数量が少し多めになっている事に、 これまたマットレスの事を全く理解していない日本の商社、販売会社がコイル数が多いと喜んで飛びついているとしか見えません。

長年スプリングマットレスに携わってきたマットレスジャパンとしますと、コイル数量のみで比較表示している販売方法には理解できず、 お客様に間違った判断基準を誘導している事がどうしても許せなかったので今回このような記事を書かせていただきました。

もちろんコイルの数量も寝心地を判断する一つの参考にはなります。

しかしコイルだけではなく、詰め物や表地など全ての材料が合体されて初めてマットレスとしての寝心地を生み出すのです。

また最大のデメリットとしてコイル数を増やすと重量もどんどん増えて行き、 マットレスジャパンが推奨しているマットレスを定期的に干すといったことは全くできなくなって染まします。 ご注意ください。